創作の原点、書くということについて。

最近、細切れでしか創作ができなくなっている。
細切れでしか、創作物を享受できなくなっている。
長い小説が読めなくなっているし、映画館に足を運ばない限り長い映画も見れなくなってきている。

行き帰りの電車で読もうと思ってずっと文庫本をカバンに入れているのだけど、スマホを見て終わることのなんと多いこと。

時は金なりと言うけれど、「誰が逐一どうしたとか知らなくてもいい情報を知るということについて」ここ最近はずっと思いを巡らせている。

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‪「今の子はかわいそう、自分が漫画や映画の世界にどっぷり浸って過ごした時間を、くだらない呟きを強迫観念で追いかけ、お愛想で反応することに費やしてるんだと思うと」という発言を見てハッとした。別に誰がどうしたとか逐一知らなくていいだろうに、なんで貴重な時間を切り売りしてるんだろうかと。‬

「ネットを見てしまうと考えがまとまらない」と言う人もいた。すごく分かる。
あっちこっちに考えが散乱し、閃きをまとめる起承転結とその先の考察まで行きつかない。

メロディやストーリーの断片だけが、頭の中の荒野に転がっている。

厳選していかなければいけない。
ニュースやコミュニケーションも大事だとは思うけど、心血注いで生み出す創作物のインプットとアウトプットだけをやっていきたいんだ。基本。7割方。

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SNSと相性のいいカテゴリーの人もいる。
何かお店を運営している人だとか、宣伝を担っている人など。
だけど、曲がりなりにも芸術方面を志している人は、情報の渦は時に創作の邪魔になってくる。それも、即効性のあるものではなく、ジャブのように少しずつ、少しずつ、きいていって、気づけば半年何も作ってなかった。。。みたいな状態に陥るのだ。それで絶望に陥るほどショックでもないし、細切れでは創作活動できているから、SNSで発信しているだけで何かやっている気分になっていて。

真綿で少しずつ、少しずつ、首を絞められているのかな。
少しずつ、少しずつ、死に近づいていってるのに、それに対する危機感をちらとも抱かず、笑って。
それは幸せなことかもしれないとも思う。

だけど私は、幸せで平穏な人生を目指しているわけではないんだった。
SNSでの細切れのつぶやきだけでなく、脈絡のないおしゃべりだけじゃなく、こういうまとまった文章を定期的に書いていきたい、本当は、本当は、本当は。

だってこうして書いていると、ニューロンとシナプスがパチパチッと光ってジャンプし喜んでいるのが分かる。
この回路は使って鍛えていかないと、きっと衰えてく。

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創作から、書くということに話がずれてきたのだけど。
私にとっては、書くことが創作の原点のように思う。絵を描くことや曲を作ることよりも前に、書くことがあった。

子供の頃から、10年位ずっと途切れることなく教育課程で「書く」ということを強いられてきた。
小3の時に親から作文の通信教育を受けさせられ、小学校では日記を毎日のように提出させられ、進学した中学でも3年間ずっと週一で読書感想文を書かなければならなかった。高校では、映像系の学校の入試に小論文と物語やコンセプトの記述が必要だったため、美大受験の予備校だったけど絵とともに文を書いていた。

こうした成長過程で、かなり「書く」ための脳の回路が鍛えられた。
しゃべる方はおざなりになってしまったけど、まとまった文章を書くという能力に関しては、けっこう持っているんじゃないかと思う。
まずこうして書こうとする気力がある時点で、そうなんじゃないかと思う。

ブログじゃなくてツイッター、メールじゃなくてライン。時流がどんどん短文化していっている現代で、まとまった文章を書いていくということ。
ジョギングみたいに、筋トレみたいに、自分に負荷をかけて、やっていきたい。それは私にとって、きっと大事なことだ。きっとこれからの人生で武器となり、財産になることだ。そんな予感を持っている。

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何かをテーマに文章を書こうと思いを巡らせていると、何日か、時には何週間もかけて、ふわぁ〜っとあれやこれやのキラリと光る記憶やアイデアの断片が集まってきて、クリスマスツリーの飾り付けのように、ただの木がファンタジックなものへと変身していくような感じがする。

あの感じはいいもんだ。

あの感じは、曲や、絵画や、物語を作る時にも共通している。

情報の渦に身を浸していたら楽だけど、頭の中はこんがらがって、キラリと光る記憶やアイデアの断片はどんどん奥深くへと埋もれていってしまう。

それだと、ただの木はファンタジックなものになっていってはくれない。

テレビを消して。遠い異国の地に出荷するため、プレミア付きクリスマスツリーを雪原にせっせと作るような、ちょっと聖なる気持ちで、ここに文章を書いていきたい。

そして、その志をもとに、人生のあらゆる活動を展開していくんだ、と、そんな風に思うのです。

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