新型コロナ流行後の世界、「コロナ新世界」になって、良くなったことはいくつかある。
例えば、映画館の座席が一つおきになったこと。
満席に近い人気作品だったらしょうがないけど、席が半分も埋まっていないのに隣に他人が座ってくると、ちょっと嫌だなぁと思う。電車と同じ感覚か。
今は絶対に隣に人が来ないと保証されている上、食べるのも禁止。これまで幾度も咀嚼音にイライラさせられてきた私は、このチャンス逃してなるものかとばかり、食費や生活費を削っていそいそと映画館を訪れていたのだった。
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観光業や宿泊業の好調ばかり注目されてあまり知られていなかったかもしれないけど、実はコロナ以前の映画業界は空前の好景気。2019年の年間興収は過去最高を記録し、観客動員も2億人に迫る勢いだった。
私のホームタウン、立川にも2019年に新たにミニシアターと大手シネマコンプレックスの2つの映画施設が開業し、既存の映画館も併せて常時、23ものスクリーンで映画が上映されているという、映画祭り状態になっていた。
しかしそこに、誰も予想していなかった新型コロナによる大打撃があり、2020年の映画の年間興収は、前年比54.9％に激減するという結果に。
かつて映画館で働いていた私としては、少しでも力になれたらなと。と同時に、座席50%間引きと上映中食事禁止は継続してほしいなという気持ち。。
あ、あと、世界と比べても日本の映画料金は高すぎるんで、700円くらいに値下げしてほしいな！（すみません本音出た(ꙭ;)）
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コロナ新世界のこの一年、話題になった映画をいろいろ観てきた。テレビアニメや漫画から派生したアニメーション映画も、何の予備知識もないままいくつか観た。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』はけっこうよかったけど、『鬼滅の刃』は、眠っちゃった。
ノーラン監督の話題作『TENET テネット』も、意気揚々と見に行ったのだけど、序盤のツカミが悪くて盛り上がってきた頃には睡魔との戦いだった。
マーベル作品やスターウォーズなんかもそうだけど、どうもノれないなことが大半。なぜかアクション映画で眠くなってしまうんだよなぁ。がんばって目を見開くんだけど、大迫力ド派手シーンにさしかかるとともに、いよいよ睡魔は絶好調に私の中で暴れまくるという。。
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毎年1000本以上もの新たな映画が、制作・公開されている。一生かかっても全部の映画を見ることなんてできない。映画評論家でも目指してるんならともかく、大事なことを疎かにしてまで映画鑑賞のために時間やお金を確保するのはやっぱり違う。となると、どんどん仕分けしていかなくてはいけないな、というのが最近の所感。
残り少ない人生の時間を考慮して、もうばっさりアクション映画は省いていく時期に来ている。当時は熱狂を持って迎えられたかもしれないけど今では色あせてしまった古い映画に関しても、ふるいにかけなくては。どんなに話題になっていても、人からオススメされたとしても、最初からあまり関心のない系統のものはどんどんスルーしていく必要がある。
大人になると、もう絶対的に食わず嫌いが必要になっていくんだな。
なんとなく流されるままに時間を費やすことをやめたい。映画に限らず、本当に好きな人、本当に知りたい情報、本当にやりたいことだけに人生の大事な残り時間を捧げたい。
仕分けが必要。仕分けが必要。
バッサバッサとバッサバッサと。
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一番頭の柔らかかった中学生の頃、数学や物理、詰め込みの歴史や地理地学の授業に費やした膨大な時間を、作曲や文学、絵画や映像の授業にあてられていたらなと今になって思う。まんべんなく学習する必要なんて、ぜったいなかった。
あの頃、好きな分野を自ら選択して、英才教育を受けられていたらなぁ。
挫折を経験し方向転換しつつ、才能を信じれる分野に関してはどんなに厳しくてもがんばって、同じ志の仲間たちと切磋琢磨し情熱を輝かして、ものすごく有意義な時間を送れたんじゃないかと思う。
20代の頃、仕事で筆文字を書く必要があるからと、先輩から習字を習うように言われ、何年か習字を習いに行ったことがある。周りはみんな書が好きな人ばかりで楽しそうに筆を動かしていたけど、私は大して興味が持てず、道具の扱いもいい加減だし、ちっとも上達しなかった。
習字なんてやる必要なかった。私生活にあれこれ口出ししてくる人のいる会社も、適性が感じられないデザインや校正の仕事も辞めて、とっとと音楽活動でも始めていれば良かった。20代の生命力に溢れる若い良い時代をもっと情熱を持って生きたかった。
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これからは好きなことだけ勉強して、好きなことだけ突き詰めていきたい。
ノーベル賞だって、グラミー賞だって、まんべんなく勉強してたらけっしてもらえないもの。
目指すべきとことん偏った人間になるために、仕分けが必要だ。
それによって変な目で見られたり、嫌われたってかまわない、強い気持ちが何より必要だ。
△rispi△